未登記建物、見逃されるリスクとその解決策

登記の必要性を今こそ理解する。

 未登記とは法務局へ登記がされていない状態のことです。建物の登記は、新築の場合も増築の場合も義務であり、権利を保全するためにも、まず未登記状態を解消することは大変重要です。

未登記建物の手続きについて説明したいと思います。

目次

相談の背景

〇民法改正で相続登記の義務化が始まるからその準備のため

〇金融機関での借入の際に登記をするように進められたため

〇建物をリフォームするにあたり、補助金を受けるため建物登記簿が必要なため

〇古い瓦屋根の家屋をそのまま買取り、リフォームして使用するため

〇子どもに財産を引き継ぐために、今のうちに整理しておくため

未登記状態であることの問題点

1、いざという時に売却できない

  建物の登記は、不動産取引を円滑に進めるのに役立ちます。購買者は、登記簿を確認して建物の所有権や担保権を確認でき、信頼性のある取引が行えます。未登記の建物は、買い手にとって不安要素となり、取引が難しくなります。

2、銀行から借入ができない

 不動産を担保としてローンを組む場合、建物の登記は不可欠です。銀行や金融機関は、担保となる不動産の登記がない場合、融資を提供しづらくなります。登記を済ませておくことで、融資の選択肢が広がり、低金利のローンを受けることができます。

3、スムーズな財産承継ができない

 未登記の建物は相続や贈与の際に問題を引き起こす可能性があります。登記を行っておけば、遺産分割や贈与において所有権の譲渡がスムーズに行えます。

全部未登記と増築未登記

1、そもそも建物そのものが、全部未登記になっている場合

 自己資金で購入したため登記は不要だと思った。

 住宅ローンなどで借入を行う場合、抵当権の設定がありますので、必ず登記を行いますが、現金購入の場合は登記をせずそのままになっている場合があります。

2、増築の未登記の場合

 建物を一部増築した際や比較的小規模な工事の場合、リフォームローンなどを利用せず、自己資金の場合なども変更登記が未了であることがあります。

 また、リフォーム会社より案内が無かったり、増築登記の必要性の認識がなかったりといったことが原因で未登記のままになっていることがよくあります。

未登記建物の登記手続き

 建物表題登記は、管轄の法務局へ法律で定められている必要書類を集め、登記に記録する法定情報を登記申請書に記載し、法務局へ提出します。

 表題登記とは、法務局へまだ登記されていない建物について新しく登記記録(登記簿)を作る手続きのことです。

 未登記建物は、所有者や建物情報が登記されていないので、所有者の特定、所在や面積などを調査測量を行い、登記申請書や各種図面を作成、関係書類を集め登記申請を行います。

 期間としては、書類が整っていれば申請して10日ほどで完了しますが、書類が集めることに時間がかかるので、実際は相談を受けてから完了まで1~3ヵ月程度かかることが現状です。

必要書類

〇所有者の書類

・住民票
 抄本(しょうほん、建物所有者の部分のみ)で可

・印鑑証明書(共有の場合や所有権証明書類が不足している場合)

・持分協議書、持分証明書
 物件及び持分を記載し実印を押印

・上申書
 所有権を証明する書類が不足している際に提出、実印を押印

〇工事施工会社の書類

・建築確認申請書、確認済証、建築図面 一式

・工事完了引渡証明書
 工事施工会社の実印の押印

・工事施工会社の印鑑証明書

〇その他、必要になる場合がある書類

・建築工事請負契約書

・工事代金領収書、支払明細書

・固定資産税評価証明書、納税証明書

・水道電気ガスなどの公共料金の支払明細書など占有を示す書類

・火災保険証書

・賃貸物件であれば、賃貸借契約書など

まとめ

1、権利の保全やスムーズな売却、資産承継のため、建物表題登記からその後の所有権保存登記まで一連の流れで行うこと

2、未登記建物の建物表題登記には所有権証明書を集める必要があり、図面作成など時間がかかることを把握し、早めに準備を行い、表題登記をすること

3、未登記の建物は法的問題やトラブルの温床となりかねないため、早急に登記手続きを行うこと

目次